「ちょっと、酸素ボンベ持ってきますね」
陣痛の最中に助産師さんに言われた。
(お産、順調じゃないのかな?病院に搬送されるのかな?)
ここは助産院で、病院ではないため、異常があったら設備の整った病院に搬送されることになっている。順調なお産では酸素ボンベは使わないから、搬送のための準備に思えた。
(赤ちゃんが無事に出てきてくれればなんでもいいや…)
そう思いながら、定期的に襲ってくる陣痛に耐えていた。
今回の記事は体験談です。
こういうお産もあるのだということを、同じような境遇の人に伝わればいいと思って書きました。
誰かの勇気になれば幸いです。
①はこちら
出産当日のこと
陣痛の夢
出産当日、私は陣痛の夢を見ました。
前駆陣痛がなかったので痛みを知らなかったにも関わらず「あぁ、これが陣痛か」と思いながら夢を見ていました。
が、ふと自分の股のあたりの冷たさに目が覚めました。
なんなら夢の最中、本当にお腹も痛かった気さえします。
ちなみに、妊娠中期頃からこむら返りが度々あり、はじめの頃は痛くて起きていたのですが、途中から「あ~こむら返りだ~痛いな~」と思いながら寝続けていたので、痛みに対する耐性が強くなっていたのだと思います。
時間は朝4時頃。布団を見ると出血していました。
産院に電話をし、破水だったら即入院なので夫を起こして検査のために産院へ。
結果は羊水ではありませんでした。
なので一旦帰宅です。
昼間の話
その日の昼間はたまたま助産師さんに誘われて、別の先輩妊婦さんと一緒に散歩をする予定でした。
産院からは正産期に入ったら1日3時間歩くように言われていたのと、「両親学級などがなくて同じ立場で不安を話せる相手がいない」と言っていた私に、予定日の近い妊婦さんを紹介してくれるためでした。
その散歩のときに先輩妊婦さんから「陣痛の痛みだけが救いだった」という言葉を聞いて、それはお産中の苦しい中でもどこか安心して臨めた理由の1つになりました。
破水と陣痛
お昼は外食をし、家に着いて昼寝をしました。
するとまた、お腹の痛みと、今度はとめどなく水が流れる感覚…
今度こそ破水だと思って飛び起きて産院に電話をしました。
「破水したので行こうと思うのですが、昼間汗をかいたので(※真夏でした)シャワーなら浴びでもいいですか?」
と聞く余裕はありました.笑
破水をしたら湯船に浸かるのはNGです。
水筒にお茶を入れ、シャワーを浴びて産院へ。
念の為検査をして、羊水だとわかったので入院です。
- 出産は体力勝負だから、しっかりご飯を食べる
- 最近の人は陣痛が弱いから15時間以上を覚悟する
ということを念押しで言われました。
夫にコンビニで丼ものを買ってきてもらいしっかり食べて出産に備えます。
ちなみにこの時点までずっと10分くらいの感覚で陣痛が来ていました。
すると、7分間隔くらいになった陣痛がいきなり4分間隔になりました。
出産まで
はじめは余裕だった痛みも徐々に強くなり、教わっていた”いきみ逃し”を始めました。
この辺りですでに、助産師さんの経験上にあるお産の進み方と私のお産の進み方が少しずれていました。
助産師さんは途中で電話を始め、「あ、電話してるから静かにしないと」と思っても声は抑えられませんでした。
酸素ボンベが準備され、応援の看護師さんが到着しました。
ここは助産院なので、危険があると判断された場合は病院に救急搬送されます。
助産師さんの様子を見て「私は危ないのか」と思いました。
しかしお産は続きます。
私はそのうち「今お尻の辺りに頭があります」などと実況できる余裕も出てきました。
助産師さんは様子を見ながら励ましてくれます。
そしてついに「いきんでもいい」という許可が降りました。
ただし「正しくいきむ」ように言われました。
最後は私が勝手に、会陰が切れてもいいと思って強めにいきんだので切れましたが、無事に、しかも覚悟していた半分以下の6時間での出産でした。
また、いずれ記事にしますが、会陰のケアをしていたのできれいに切れたそうで、くっつくのも早かったです。
子宮筋腫だから起こったこと
産後落ち着いてから今回のお産の異常に関して話がありました。
- 陣痛が急速に進みすぎた(陣痛間隔が7分からいきなり4分になるなど)
- 産道に赤ちゃんの頭が入るまで少し時間がかかった
- 陣痛が来る前、昼間エコーを見た時、正常なら見えないはずの赤ちゃんの顔がこちらを向いていた
- 産後、胎盤がなかなか出てこなかった
などなど。
その他にも
- 悪露が2ヵ月程続いた
- 子宮の戻りが通常より遅かった
などの影響がありました。
出産翌日改めて別の助産師さんも一緒にエコーを見て子宮筋腫らしきものが見つかりました。
次の妊娠を考えて始めたら、妊娠前にもう一度しっかりと筋腫の検査をする予定です。
脚の筋腫の影響
ちなみにずっと存在がわかっていた脚の付根の筋腫も、産後しばらく影響しました。
何が起こったかと言うと、筋腫のない側の脚の付け根が激痛で3分と立っていられないのです。
これは産後1ヵ月ほど続きました。
じっと立っていられなかったので、洗い物は休み休みやったり、椅子に座りながらやったり、家族に任せたりしました。
入院中にエコーなどで見てもらいましたが異常はなく、恐らく妊娠中・出産の際に筋腫があることでなんらかの影響があり、ずっとかばっていた反対側の脚に影響が出た、筋肉痛のようなものだろうという結論になりました。
まとめ
生まれてきたわが子は、素人目では気にならない程度ですが頭の形が少しいびつで心配されました。
しかし、助産師さんに頂いたアドバイスを実践し、今ではほとんど気にならないと言われています。
そういった、個人に合わせたケアなどを1対1で教えてくれるのも助産院出産の良さだと思っています。
小さいことですが、緊張の左右差などを丁寧に見ていくことで赤ちゃんも体に違和感なく過ごすことができ機嫌もいいと言われています。
妊娠出産は十人十色です。
子宮筋腫1つとっても、今回の私のようにお産中に初めて異常が出ることもあれば(気付かないだけで、お腹の張りを感じられない、前駆陣痛がないなどの異常はあったのですが)、帝王切開になってみたら子宮筋腫だらけだったという人もいます。
1人目は輸血が必要だったけど、2人目は安産だったというように、1人目と2人目の妊娠出産が全く違うという人もいます。
順調だからと安心せず、でも人生でそう何度も経験することのない特別な時間を楽しんでください。
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