ある日、朝起きてから体が怠く、お昼ころに「あ、これ、熱出てるわ」と気付いた。
胸も痛く「もしかしてこれが噂の乳腺炎…?」と思い、助産師さんに連絡。
この症状が乳腺炎であることと、その日は時間が取れないから見てあげられないと言って自宅でできる対処法を教えてくれ、時々気にかけて連絡をくれた。
・・・
出産という大仕事を終えても、慣れない育児や、出産で体がボロボロになっていて、すぐには出産前のように動けませんよね。
そんな中私は、産後7週あたりに2週間で4回乳腺炎になりました。その1ヶ月後くらいにさらに1回かかっているので、これまでに5回なりました。
ですが病院には一度も行かず、1回は助産院で痛いマッサージをしてもらいましたが、4回は完全に自力で治したので、困っている方の参考になればと思います。
なお、乳腺炎は悪化すると切開して膿を出さなければならずかなり大変なので、独断で「病院に行かない」は危険です。
私は助産師さんに症状を報告しながら「熱が24時間下がらなかったら病院へ」などの指示をもらっていたため、そういう状況にならなかったので病院に行かなかっただけです。
乳腺炎について
乳腺炎とは
何らかの原因で乳腺が詰まって炎症を起こし、しこりや腫れ、熱感を持つ状態のことです。
その原因や症状によって2種類にわけられます。
軽度のときは乳腺のうっ滞やしこりがある程度で、そのしこりは授乳をすることで解消される場合もあります。こちらは「うっ滞性乳腺炎」と呼ばれています。
多くの場合はうっ滞性乳腺炎が長引き、そこに何らかの要因で乳腺に細菌が入り炎症が起こると「化膿性乳腺炎」となるのですが、私の場合は全てこれでした。
乳腺炎の症状
私が経験したのは細菌に感染した「化膿性乳腺炎」というもので、症状は以下の通りでした。
- 悪寒
- 38度以上の発熱
- 倦怠感
- 関節痛
- 乳房の腫れ・しこり・熱感
- 母乳に膿が混じる
乳腺炎の症状は人に移らないインフルエンザに例えられるのですが、まさにそうでした。
大体は朝方、布団の中で激しく震えるほどの悪寒から始まり、そこから寝て起きると倦怠感と発熱です。乳房は痛く、重症なときは板が入っているかのように固く赤くなっていました。そういうときは腕を上げるときも激痛で、上げることが完全にできないか、逆の手で上げたい方の腕を持って上げていました。
また、私よりも赤ちゃんに影響があることとしては母乳の味の変化です。明らかにしょっぱくなります(なんでも試したくなってしまうので味見もしました)。
大人なら「しょっぱい」で済むのですが、赤ちゃんにとっては飲みたくない味なんでしょうね。もちろん膿なんて大人でも飲みたくないですが、膿を出したあとも少ししょっぱさが残るので飲んでもらうのが大変で、隙きあらば子供にはミルクを飲ませて母乳は自分で出して捨てていました。
乳腺炎の原因
母乳過多
原因は色々ありますが、特に気をつけるのは産後しばらくして母乳が作られる量が増えたとき。まだ赤ちゃんは上手く飲めず残ってしまうとうっ滞してしまいます。
また、そんな時期には吸い方や吸わせ方がお互い下手っぴだったりして傷ができ、そこから細菌が入り込んでしまったりもします。
なので自分でも気をつけておいて、しっかり飲ませるようにしたり適度に自分で出せば予防できる可能性はあります。
冷え・ストレス
冷えやストレスも原因の一つだと言われています。母乳は血液から作られているので、冷えもストレスも血流を悪くする要因ですね。しかし産後で体調が整っていない中で、慣れない育児や家事をしているとどうしてもストレスになってしまいます。難しいかもしれませんが、意識して適度にストレス発散してください。
その他
月齢が進んで哺乳瓶の飲み口を変えるタイミングも注意です。
哺乳瓶の方が飲みやすいため母乳をあまり吸ってくれなくなりうっ滞しやすくなったりもします。
うちはまさにこのタイミングでした。
ちなみに私の場合は、脂っこいものや甘いものを食べると乳腺が詰まりやすいから控えるようにと言われましたが、乳腺炎になっている最中にご飯とお味噌汁だけでの食事をしていても新たな乳腺炎になったので、それ以来食事は気にせず食べたいものを食べるようになりました。
そのため、食べ物が原因なのかは少し疑問に思っています。
ただしそれも体質によるのかなとも思っています。
知人は甘いものを食べると赤ちゃんが母乳を飲んでくれなくなって乳腺炎になるというパターンが顕著だったようで、授乳期間中は徹底的に甘いものを排除していたようです。
乳腺炎は気を抜くと誰でもなる可能性のあるものですが、私の場合は今後、子供の乳歯が生えてきたときや断乳のときにまた特に気を付けようと思っています。
乳腺炎のときにやったこと
助産師さんからの指示
乳腺炎になって助産師さんに連絡をしたら、以下のことを行うように言われました。
- とにかく赤ちゃんに頻回吸ってもらう
- 授乳の際、しこりのある側が赤ちゃんの下顎側に来るようにする
- 食事はご飯とお味噌汁のみ
- 赤みがあるときは冷やす
- 熱が24時間以上下がらなかったら病院へ
幸い熱は毎回半日以内には下がっていたので、大体はしこりとの戦いになりました。
助産院に空きがあるときはマッサージをお願いしようとしたのですが、結局タイミングが悪かったので行ったのは一度きりでした。ですが子供は乳腺炎の最中の母乳をあまり飲んでくれないので、マッサージをしてもらったときは、激痛でしたが楽になりました。
ちなみに冷やし方ですが、すりおろしたじゃがいもに小麦粉を混ぜて、耳たぶくらいの硬さにしたペーストを作りそれをガーゼに挟んで貼るという方法を教わりました。
また、キャベツの葉を当てておいてもいいそうです。
が、私は別のものを持っていたのでそっちを使いました。
自分でやったこと
私が乳腺炎に使ったものは3つあります。
- 太乙膏(たいつこう)
- 里芋粉
- 葛根湯
太乙膏
太乙膏は漢方の軟膏なのですが、助産院で会陰の傷に使うために少量もらっていました。これは授乳中に傷ができてしまったときにガーゼに少し出して傷の部分に当てておくと楽になったのです。
傷口からの細菌感染を防ぎたかったので、乳腺炎の予防のような役割に使いました(なってしまうときはなってしまうのですが)。
里芋ペースト
里芋粉は、元々は会陰の傷に使おうと思い用意していたのですが、太乙膏をもらったので結局そちらを使っていて手元にあったものです。
これを少量の水と混ぜて耳たぶくらいの硬さのペーストを作り、ガーゼに挟んで貼るとひんやり気持ちが良かったです。肌が痒くなってしまう方は少量のお酢を入れるといいとのこと。
里芋をすりおろして小麦粉と混ぜてもいいのですが、里芋がなかったり、熱でふらつきながらそこまでやるのは難しいので、↓のような粉を買っておくと便利です。ネットで買えます。

乳腺炎になると、ふらつきながら台所でこのペーストを作っていました。
大体、里芋粉大さじ大盛り5杯+水50cc程度だったかと思います。水は混ぜながら徐々に足し、多少粉っぽさが残る程度でも大丈夫です。この分量で5回分ほどできたので、1回分ずつラップにくるんで冷蔵庫に入れていました。
ただし作ったペーストはカビやすいので1,2日くらいで使い切ったほうがいいです。
私は里芋ペーストを乳腺炎のほか、痔になったときも使いました。
冷やすときは冷えピタなどでもいいのですが、昔ながらの方法ということはなにか理由があるはずと思い、乳腺炎になると毎回この方法をやっていました。そのため具体的にどう効いているかはちょっと比較していません。
葛根湯
葛根湯はネットで見かけたので、血流をよくするために飲んでみました。
ただし葛根湯を飲むと(赤ちゃんにとって)母乳が不味くなるため、飲むタイミングは授乳後がいいそうです。
病院での指導
補足で、なおかつ人から聞いた話なので、すべての病院で今はこういう指導なのかはわかりませんが、病院では乳腺炎が治るまで母乳を飲ませないように言われるそうです。
教えてくれた知人は「薬を処方するからかも」と言っていました。
まとめ
できることならなりたくない乳腺炎。ですが、産後で余裕がなかったり、見えない部分でもあるのでどんなに気をつけていてもなってしまうときはなってしまいます。
なっても外出できる状況ではなかったり、休日で病院がやっていなかったりすると、ただでさえ子供の世話があるのに熱や倦怠感で不安になると思います。
そんなとき慌てず対処できるように、一個人の体験談ですが書いてみました。
体が辛かったり、そんな中でも家事をしなければならない方もいるかもしれませんが、乳腺炎になったら「休むタイミングだ」と思って休める方はしっかりのんびり休んでくださいね。
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