社会人一年目、知らない土地での出来事。
「これあげるよ」
と、近所の食堂のおばちゃんが水を張ったバケツの中の細長い何かを指差した。
「ありがとう!」と、一緒にいた人が返した。
「なんですか?これ。動いてる……」
「マテ貝だよ!」
それが私とマテ貝の出会いでした。
・・・
長野出身、東京で大学生活を送っていた私には全く縁のなかったマテ貝。
しかし初めて食べた時は、七輪で焼いてしょうゆを垂らして、シンプルながらギュッと濃縮された貝の味が美味しくて感動しました!
初めて見た人はきっと貝だとは思わないであろうマテ貝。
今回は七輪で焼いてみたので、砂抜きに関してや死んでいるかの見分け方、焼き加減について紹介していきます。
マテ貝とは

マテ貝は二枚貝の一種で、細長い独特な見た目をしています。
私は説明をする時に「竹筒の中に入っているみたいな」と言っていますが、”貝”と聞いてイメージするような丸っこいフォルムではなく、棒のような形です。
動いている様子は見慣れないとなかなか……一緒にするのはどうかと思いますが、ナ●ク●と表現する人もいます。
しかし貝の味がしっかりとしていて美味しいのです。
馴染みがないからかもしれませんが、普段よく食べる貝よりも更に味わって食べたので、貝の中で一番ではないかというほど美味しく感じました。
ちなみに私が初めて食べたときは長さ10cmほど、直径は1cm程度のもの。
しかし今回食べたものは、長さ15cmほどで直径が2cmくらいの大きなものでした。
砂抜きって必要?
砂抜きについて調べたところ、”不要”と書いている情報が多かったです。
しかし、調理までの間に置いておく場所もなかったり、管理がわからなかったので、居場所づくりのついでに砂抜きをしました。
(それでも一度だけ、家族の食べている時に「じゃりっ」という音が聞こえました)
砂抜きの方法は?
海なし県の長野生まれ長野育ちな私たち家族にとって、海水の濃度と言われてもパッとわかりません。
そんな私でもできた、調べた中でとてもわかりやすい方法を紹介します。
- 空の500mlペットボトルを用意する
- タッパーやトレイに、ペットボトルを使って水を500ml入れる
- 塩をペットボトルの蓋2杯分入れる
- 貝を入れる
- 新聞紙などで覆い、静かなところに置く
ペットボトルがとても便利でした!
我が家はタッパーに水を約750ml(ペットボトル1杯半)、塩をキャップ3杯でやりました。
砂は出ませんでしたが、殻についていたようなゴミが浮いていたので何度か水を替え、4時間ほど暗い場所に放置。
ちなみに冷蔵庫に入れたりすると、寒さで砂を吐かないみたいなのでご注意ください。
死んだマテ貝の見分け方
マテ貝は弱く、輸送中に死んでしまうこともあるそう。
今回1kg注文して14匹来ましたが、3匹は死んでいました。
まず怪しいと思ったのは、殻からでろ~んと出てしまっている個体。
砂抜きがてらしばらく食塩水に付けましたが変化はなく、持ち上げてみても動きません。
そこで水道水をかけながら突いてみました。
動きません。
次に塩を振りかけてみました。
やっぱり動きません。
ここまでして動かなかったら死んでいるとみなしていいかと思います。
ちなみに死んだマテ貝は、時間が経つにつれてドブや硫黄のような臭いになってくるそう。
死ぬと腐敗が早く、菌も繁殖するので食べると食中毒の危険もあります。
死んですぐ食べる場合には問題ないのかもしれませんが、いつ死んでしまったかわからない場合は食べるのを控えたほうがよさそうです。
どのくらい焼けばいいの?
美味しい食べ方を調べると酒蒸しなどが出てきますが、私が初めて食べたのは七輪焼だったので、今回も七輪。
一般的にイメージするような貝は焼いているうちに殻が開いてきますが、マテ貝も開きます。
ただし、なかなか開かない個体もいるので、適度に箸などで開けていいそう。
ちなみに11匹焼いて2匹は開きましたが、あとの9匹は自分たちで菜箸で開けました。
焼き始め 殻を開きました
貝の水分がふつふつと沸騰するので、水分がなくなりきる前が食べごろです。
完全になくなってしまうと身も固くなってしまうそう。
食べる前にバターを塗ってしょうゆを垂らしていただきました!
おわりに
少しずつ知名度が上がってきたのと、独特な捕獲の仕方をするのが楽しくて人気が高まってきたマテ貝。
今回注文をしたところ、例年は5月ころまであるそうですが、人気が高まっていて早めに終売になってしまったとお店から連絡が来ました。
そのため別のお店に注文を。
ちなみに今回のものは山口県産で、1匹は40~60gあるそうです。
見た目にドキドキしてしまう方もいるかもしれませんが、ぜひ味わって食べてみてくださいね!
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